本の虫

著者:江添亮
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DJI Osmo Actionのプライバシーとセキュリティ上の懸念

現在使っているGoPro HERO9が流石に古くなってきたので、そろそろアクションカムを買い換えようかと思ったが、GoPro HERO13はあまりぱっとしない。なによりオーバーヒート問題が解決していない。そこでDJI Osmo Action 5 Proを買おうと思ったのだが、これがプライバシーとセキュリティー上の深刻な懸念のある作りだったのでさすがに購入できないと判断した。以下はその理由である。

DJI Osmo Action 5 Proはアクティベーションしなければ使えない。アクティベーションにはスマフォアプリが必要だ。そもそもスマートフォンを持っていない人間にはアクティベーションする方法すらない。しかもただのスマフォアプリではない、AppleやGoogleの公式のストアで流通していない野良アプリをインストールしなければならない。

アクティベーション作業にはデバイスと野良アプリをインストールしたスマフォを同じWiFiネットワークにつなげる必要がある上、そのWiFiネットワークはインターネットにつながっていなければならない。

アクティベーション時に同意する必要のあるプライバシーポリシーには、DJIは指名性別生年月日住所はおろか、位置情報、ネットワーク情報、スマフォ情報、デバイスの動画や音声のみならずあらゆるセンサーのデータを取得する。しかもその利用をあらゆることに用いるとされている。そんな契約に同意することはできない。

しかもこの極めて怪しいスマフォアプリはファームウェアのアップデートにも必要なのだ。ファームウェアのアップデートなど、microSDカードにファームウェアアップデート用のファイルをいれてデバイスをブートするだけでいいはずなのに、なぜかスマフォアプリを経由して同一WiFiネットワークにつないだ上で行わなければならない。

アクティベーションせずに使おうとすると、5回だけ起動して使用不可になるという徹底ぶりだ。

ここまで執拗に野良スマフォアプリのインストールとWiFiネットワークへの接続を共用するのは、なにか悪意があることを邪推してしまう。普通の人間はメインのスマフォにアプリをインストールし、自宅のメインのネットワークにつないでしまうだろう。スマフォ内の情報、ネットワーク内の情報、カメラのセンサー情報を監視するにはもってこいの環境を不必要に整え冴えているわけだ。

そもそも、カメラなんてものはネットワークにつなぐ必要はないしスマフォアプリもいらないのだ。愚直にmicroSDカードに動画を書き出してくれればそれでいい。

DJI Osmo Actionはプライバシーとセキュリティー上の深刻な懸念があるので使ってはならない。