本の虫

著者:江添亮
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予備自衛官の招集訓練に参加してきた

7月8日から12日までの5日間、予備自衛官の招集訓練に参加してきた。

私は予備自衛官として毎年5日間の招集訓練に参加しているの。しかし、去年はコロナのために訓練が中止になってしまった。コロナでリモートワークになり、運動こそしているものの、夏の暑い間はクーラーのよく効いた部屋に引きこもっていたので、果たして7月の暑さに耐えられるのか疑問ではあった。折しも梅雨が早めに空けてしまい、6月半ばは尋常ではないほどの暑さになった。これでも私のすむ江東区は運河に囲まれているため、都内でも内陸部より涼しい方らしい。とてもそうとは思えないのだが。

連日の暑さも7月に入るとすこし収まり、訓練の5日間は雨や曇りの天気予報になって少し安心した。いよいよ訓練当日、初日は曇り、和光市にある朝霞駐屯地に行って物品を掌握(しょうあく、自分の持ち物をしっかりと確保する程度の自衛隊用語)する。しかしここで問題が発生する。戦闘服がきつくて着られない。どうやら太ってしまったようだ。仕方がないのでサイズ変更をする。その後、健康診断と精神教育(座学のこと)をして初日は終わり。ただ、精神教育は気温が高い中、クーラーの効いていない狭い部屋に100人以上が入ったのですっかり暑さに参ってしまった。ただ、夜は結構涼しく、居室に同室になった人にひどいいびきをかく人がいなかったせいか、爆睡した。

2日目、今日は体力検定と射撃予習。体力検定では1.5km競歩がある。競歩というのは普段使わない筋肉を使うので、毎回筋肉痛になる。3日目以降の訓練は激しい脚の筋肉痛に耐えながら行うことになってしまう。今回はジョギングをしていたので筋肉痛は少し軽かったが、それでもしっかりと筋肉痛になった。多少雲があるとはいえ、あまりの暑さに射撃予習で伏せ撃ちの姿勢を取り続けるのがとても辛かった。そして2年ぶりに持った64式小銃はとても重く感じる。課業後はやはり爆睡した。

3日目。射撃検定と救急法。最初はよかったのだが、後半は集中力が欠如したのかどんどん当たらなくなっていった。救急法ではCATという止血帯と救急包帯の巻き方、人の運び方を訓練した。夜は相変わらず爆睡。

4日目。どうも朝から腰が痛い。昨日、人を背後から持ち上げて運ぶ訓練をしたときに腰を痛めてしまったのかもしれない。腰だけは今まで痛めたことがないのだが困ったことだ。今日は市街地戦闘と格闘の訓練。市街地戦闘での動きは腰が痛くて思うように行かない。その後、格闘のまえに準備運動で柔軟体操をしたところ、腰が直った。格闘訓練では仰向けに転がった状態から起き上がる方法と胸ぐらをつかまれたときに関節をキメる方法を学んだ。とても便利なのだが、おそらく一週間もすれば忘れているだろうし、いざというときに役に立たないだろう。夜はもちろん爆睡。

自衛隊で学ぶ技術の中に、知っていたら民間でもいざというときに役に立つだろうという技術がいくつかあり、特にロープワークや関節技などがそれにあたるのだが、キャンプをするわけでもないので自在結びが必要になることはなく、胸ぐらを掴まれる経験も人生に数えるほどしかないので、いざというときに覚えていない。

ちなみに、4日目は1日中野外での訓練であり、日差しも強かったので特につらかった。汗で全身がずぶ濡れになってしまう。水を7リットルぐらい飲んだ。不思議なことに水がいくらでも飲めてしまうのだ。500mlのペットボトルなど一瞬でなくなってしまう。クーラーの効いた部屋でリモートワークして外出せずに過ごす日などは水など1リットルも飲んだか怪しいぐらいなのにとてつもない変わりようだ。

5日目。地本行事と表彰をして訓練終了。いつもはここで隊友会からアホ右翼の見本のようなバカがやってきて、靖国神社の掃除がいかに素晴らしい作業であるかとか、日本会議と自民党の素晴らしさを説いていく謎の講演が発生し、いつも国家公務員の仕事としては甚だ不適切などでは思っていたのだが、今回は発生しなかった。コロナにより自然淘汰されたのだろうか。

帰宅後、体重を図ってみたが、変化がなかった。たったの5日程度では恒常性を保つ人間の体は変化しないらしい。

基本的に今回の訓練では夜は爆睡していたのだが、それでもDavid Reich著のWho We Are and How We Got Here: Ancient DNA and the new science of the human pastという本を読み終えた。古代人のDNAを抽出する技術の発展により、考古学に遺伝子工学が持ち込まれ、人類の移動史の研究に大きな発展がもたらされたというものだ。この分野はまだ始まったばかりであって、今後も教科書を書き換えるような発見が続くだろう。