GPLv3でライセンスされた自由な技術書の電子書籍を買う理由
江添亮の詳説C++17の電子書籍の売上に対する印税の通知書がアスキードワンゴから送られてきた。額としては微々たるもので、9ヶ月かけて執筆した労働力に対する収入としては圧倒的に少ない。私がドワンゴに雇用されていて安定した給与所得があるのでなければ割に合わない。回らない寿司が何度か食べられる程度の額だ。
アマゾンで江添亮の詳説C++17を購入:https://www.amazon.co.jp/dp/4048930605
ところで、この本はGPLv3でライセンスされた自由な本だ。当然ソースコードが公開されている。
https://github.com/EzoeRyou/cpp17book
にもかかわらず電子書籍に金を払う理由はなぜだろう。しかも、その電子書籍の中にはAmazonのKindleのような不自由な本も含まれているのだ。
AmazonのKindleで多くの本を読んでいるので、不自由ではあるが同じデバイスで本を読みたいという人はいるだろう。
販売している電子書籍はプロの編集者によって組版されている。ここに価値を見出しているのかもしれない。
あるいは単に筆者に対するお布施かもしれない。
気になったのでTwitterで聞いてみた。
私のGPLv3で公開している自由な技術書の電子書籍をわざわざ金払って購入した人、だいたいTLにいそうだからなんで購入したのか聞くか。
— Ryou Ezoe(江添 亮) (@EzoeRyou) July 12, 2019
どうやらお布施目的が多いようだ。
技術書の出版が商業的に成立するにはお布施目的だけでは成り立たない。難しいものだ。
それはそうと、私の書いたC++入門書の出版作業をいましている。近いうちにアスキードワンゴから出版できる見込みだ。
https://github.com/EzoeRyou/cpp-intro
今回は、古くからの友人のプロのカメラマンである三浦大に依頼して、著者近影を撮影した。
著者近影の写真の著作権は撮影したカメラマンのものだが、それ以外の本はGPLv3だ。
また、C++と並列処理について書かれたAnthony WilliamsのC++ Concurrency in Actionの翻訳もアスキードワンゴから出版される予定だ。こちらは私が査読をする。