本の虫

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J-CASTニュースの職質裁判の誤りを含む記事に対する反論

私の裁判の一審判決を受けて、J-CASTニュースが以下のような誤りを含む記事を出している。

職務質問で精神的苦痛 地裁判決「適法」、原告「不当だ」→法律家の見解は : J-CASTニュース

この記事は適切な取材をしていない。判決文をまともに読んだとは思えない。原告である私への取材はない。この記事はとても現地を取材したとは思えない記述がある。弁護士の意見にもとんでもないものがある。

この記事はニュース配信サービスによって様々なニュースサイトに配信され、かつ弁護士による意見も掲載しており、影響力が高いと判断したので、この記事について反論する。

この記事は被告である東京都(警察)が主張しているが、裁判所は認定しなかったことを、あたかも事実であるかのように書いている。

警察官は、パトカーで巡回していて、後部に日よけの付いたつば広の帽子を目深にかぶり、大きめの黒いリュックを背負った江添さんが、パトカーを見ると顔を伏せて足早に通り過ぎたことを不審に思い、職務質問のためパトカーを下りて追跡していた。

このうち、「パトカーを見ると顔を伏せて足早に通り過ぎた」ということは東京都が主張しているが、裁判では認定されなかった。その理由は、車道と歩道の間に植木があり車道を走る車の中からは見通しが悪かったこと、私はその直後に自動販売機で飲み物を買っているが、足早に通り過ぎたのであれば不自然であること、による。

裁判所は警察官らがパトカーで私とすれ違ったことは認定しているが、私はそもそもパトカーを見ていない。東京都の主張ではパトカーと私がすれちがったとき、警察官は私をしばらく見ていたとのことだが、ただでさえ植え込みがあって見通しが悪いのに、走行中の車と逆方向に歩く私がすれ違う間など一瞬であり、いったいこの「しばらく」とはどういう意味なのか疑問だ。東京都の主張によれば私とすれ違った地点から30メートル先にパトカーを停めて私を追いかけたとのことだが、これにも私は気がついていない。私はパトカーですれ違ったということすら疑問を持っている。

またこの記事は、「すぐ横の駐車場」と書いている。この駐車場は路地に入った先にある。現地を取材しているならば「すぐ横」などという表現が出てくるはずがない。このことからこの記事は現地を取材していない疑いがある。J-CASTニュースの所在地である現千代田区二番から職務質問が行われた現場の築地6丁目まで直線距離4kmしか離れていないのだが、そんなに近くの現地に取材に行くことすらしなかったというのだろうか。

弁護士の意見について反論する。

「危険物がないならリュックの中身を見せればよい、訴訟まで起こすのは得策でない、というのは間違いないでしょう。しかし、こうした社会常識とプライバシーの問題は別です。それだけ世の中に訴えたい、問題提起したいものが江添さんにはあったんだろうと思います。自ら決めたことに対して、社会常識を持ち出すのはどうなのかということです」

そもそも私には職務質問をすべき不審事由がなかった上に、職務質問というのは質問をすることができるのであって所持品の捜索ができるものではない。判例上、質問に付随する所持品検査ができるとされているだけだ。

裁判所は最初の10分間について、そもそも職務質問の要件を欠くと認定している。理由は、「パトカーで私とすれ違った際に私が顔を伏せてパトカーから逃げるように足早に走り去った」という東京都の主張が、歩道と車道の間の植え込みによる見通しの悪さと、私がその直後に東京都が主張するすれ違ったとされる場所から10メートルしか離れていない場所にある自動販売機でのんびりと飲み物を買っていたという状況から考えて、ありえないと判断したためだ。

ただし、ここから今回の判決を私が不当だと考える部分になるのだが、裁判所は最初の10分間の職務質問は要件を欠くが問題ないとした。裁判所は、私は外見から目的がわからず、かつリュックは刃物等の危険物等が十分に入る大きさであったから質問する必要があったと認定している。

もう一度上の文を読んでほしい。町中を歩く人間の目的が外見からわかるだろうか。刃物が入らないリュックなど存在するだろうか。これだけの理由を持って所持品検査を行ってよいのだろうか。この論法では、職務質問の要件を欠く人間など存在しなくなる。この論法を使えば、家に住んでいる目的がわからず、家は危険物が十分入る大きさであるので、「家宅検査」を行ってよいとまで言えてしまう。

プライバシー権は存在する。そもそも住居や荷物の中身は令状がなければ捜索してはならない。「所持品検査」とは捜索まではいかない軽いものを指し、「捜索」とは異なると判例で支持されている。そしてこのことについて、警察が金科玉条のように引用する松江相銀米子支店強奪事件の判例がある。持ち主の許諾を得ないまま所持品検査をしたことが違法ではないとされた判例だ。これは状況が付近で銀行強盗が起きており、犯人の人相に似た人物を職務質問し、荷物の中身を許諾を得ないまま見たところ、札束が入っていた犯人だと分かったという事件だ。今回の例とは状況が異なる。今回は付近で事件はなく、犯罪予告もなく、至って平時であり、かつ私は指名手配中の被疑者に人相が似ているわけではないということを当日私は警察官に確認している。

最初の10分は職務質問の要件を欠くが、誰にでも当てはまる曖昧な理由から問題ないとされた。この最初の10分で私は身分証明証を警察官に提示し、自らの身分を明らかにまでしている。その後、警察が職務質問の要件を欠くにもかかわらず、私に全く同じ質問を繰り返し、同じ答えを返すとさっきと同じ答えですねとまるで答えが変わることを期待しているようにいい、警察官職務執行法に記述がない、リュックの中身を見せるよう迫り、一歩でも動こうとすると二人がかりで抱きとめられたのだ。私は目の前の警察官が法律を遵守していないと判断した。違法が行われたときに自力救済はできないので、私は110番通報した。かつ、私は110番通報の内容は録音され、その録音は現場の警察官の裁量程度では容易に改変できないことを知っていたのだ。だから私は110番通報を要請したのだが、現場の警察官らは私の110番通報の要請を妨害した。

職務質問の要件を欠くにもかかわらず、身分を明らかに下にもかかわらず、同一内容の質問を繰り返し、執拗に理由もないのにリュックの中身を見せろ、見せるまで解放しない。このような目の前の警察官が法律の遵守しないことが明らかな状況で行おうとした近くの飲食店のドアを開けて店員に110番通報の要請をしたことについて、裁判所は不審事由に当たると認定した。そしてその後の1時間20分の職務質問は不審事由があるので合法であるとした。その後私は、大勢の警察官に路地裏に引きずり込まれて囲まれた状況に1時間以上置かれたのだ。

世の中に訴えるとか問題提起以前の問題だ。私の人権が実際に侵害されたのだ。

J-CASTニュースは記事を書く前に判決文を読み、当事者へ取材し、わずか直線距離4kmしか離れていない現地を取材し、プライバシー権について正しく理解している弁護士に意見を求めよ。そして速やかに訂正記事を出せ。