かつてPSエミューレーターにスラップ訴訟を仕掛けたソニーのPSクラシック、自由ソフトウェア実装のPSエミュレーターであるPCSX ReARMedを使っていることが判明
かつてPSエミュレーターをスラップ訴訟により嫌がらせをして事実上の販売停止に追い込んだ邪悪なソニーが販売するPSクラシックには、自由なソフトウェア実装のPSエミュレーターであるPCSX ReARMedが使われていることが判明した。
Kotakuによるレビューによれば、PSクラシックの使用する自由ソフトウェアのライセンス表記の一覧にPCSX ReARMedが確認できたという。
PCSXは自由ソフトウェアによるPSエミュレーター実装で、2000年に公開された。その開発は停滞したが、2006年にPCSX-dfとしてforkされた。またPCSX-Revolutionいうforkもあった。2009年にはこの2つのforkを参考にPCSX-Reloadedいうforkも行われている。
PCSX ReARMedはPCSX-Reloadedのforkで、PCSXをARMアーキテクチャに移植する目的で開発されている。
さて、ソニーはPSエミュレーターに対して悪名高いスラップ訴訟を仕掛けてきた歴史がある。
Mac用のPSエミュレーター実装であるConettixのVirtual Game Stationの販売を著作権侵害のスラップ訴訟を起こして差し止めようとした。これは最終的にソニー側に不利な和解で終わっているが、その間VGSの販売が差し止められた。
また、Bleem CompanyによるPSエミュレーターBleem!を著作権侵害と不正競争防止法によりスラップ訴訟を起こして差し止めようとした。この訴訟でソニーが完全に敗北している。PSエミューレーターは不正競争防止法に反しないばかりか、宣伝に使ったPSゲームのスクリーンショット利用すら、著作権法に照らし合わせて正当な引用であるとの当然の判決が下った。しかし、物語はハッピーエンドには終わらない。長引く訴訟により膨れ上がった訴訟費用に耐えかね、Bleem Company は倒産。結果的に邪悪なソニーはBleemの販売を事実上差し止めることに成功した。
その悪名高い札付きのソニーが当時の愚かな行いに対する謝罪もなく、何食わぬ顔で自由ソフトウェアを使ったPS互換機を販売するとは、恥知らずにも程がある。
結局、抵抗は無意味であり自由ソフトウェアが勝利するのだ。
参考文献:
PlayStation Classic Plays Fine, But It’s A Bare-Bones Experience
Sony using open source emulator for PlayStation Classic plug-and-play | Ars Technica
Sony to sue Connectix over PlayStation emulator • The Register