Ubuntu 17.10にアップグレードした
Ubuntu 17.10がリリースされた。
ArtfulAardvark/ReleaseNotes - Ubuntu Wiki
今回のリリースでは、デスクトップ環境がUnityからGnomeに変わった。同時に、X.orgではなくWaylandに変わっている。
このため、Ubuntuのデスクトップ環境の使用感がだいぶ変わっている。まず、GnomeはUnity風の操作感を再現するために、やや手が入っている。具体的にはSuper+数字でランチャーに登録されているソフトウエアのウインドウを選択できたりする。
残念なことに、Global MenuやHUDは再現されていなかった。
Waylandに移行したので、日本語入力環境が大変不便になった。fcitxはWaylandに対応していないので使えない。使えないが、そのことは警告されないので、fcitxを使っているUbuntu 17.04からアップグレードすると、日本語が入力できなくなる。iBusに切り替える必要がある。iBusはキーボードレイアウトとかな漢字変換機能を持つIMEをごちゃまぜにしているので本当に使いづらい。しかも、変換候補のウインドウが、カーソル位置ではなく画面左上に出る。極めてつらい。
私は事前に調べているからいいものの、これは何も知らない人がアップグレードしたら日本語入力ができずに詰みそうだ。
特に興味深いパッケージのバージョンという点では、Linuxカーネルが4.13に、GCCが7.2.0に、Clangが4.0.1.6に、Neovimが0.2.0になった。
GCCとClangのバージョンが上がったので、これでfilesystemなどの一部のライブラリを除いて、どちらもC++17をある程度実装したコンパイラーになった。
ただし、現在libc++にはxlocale.hをincludeするという不具合がある。xlocale.hは標準のヘッダーではなくglibcの内部ヘッダーであり、しかもそのコメントには、"This file is not standardized, don't rely on it, it can go away without warning"と書いてある。
sourceware.org Git - glibc.git/commit
libc++がなぜxlocale.hをincludeしているのか全くわからない。実装を読んだが、単にincludeしているだけだ。なので、とりあえず空のxlocale.hファイルを作り、そのファイルへのディレクトリーを-Iで追加して対処した。
また、メインでは使っていないDellのLatitude E7470でUbuntuがうまく動かない問題は、Ubuntu 17.10でも解決しなかった。まずアップグレードが途中で失敗する。
DellのLatitude E7470でUbuntuがうまく動かない問題は、未だに原因がわからない。以下のような問題がある。
Live環境のブートが遅い。ログを見ると、pwconvが/etc/shadow-のパーミッションを0600に変更しようとしてエラーを出し、パッケージリストを読み込むのに時間を要し、regenerating SSL certificatesでまた時間を要する。放置しても絶対に進まず、キーボードを適当にワシャワシャ叩くと進む。まるで/dev/randomへのエントロピーが十分にたまるまで待っているかのような挙動をする。
初回ログイン時に数回画面が暗転する。
突然フリーズする。マウスカーソルは動くがそれ以外の操作を何も受け付けない。ttyの変更すらできない。文字入力をしているときにフリーズしやすい気がする。
cat /dev/urandomが何故か目視できるほど遅い。urandomなのに遅い。
grub-updateが遅い。
apt upgradeしたときの"procescing triggers for man-db"が遅い。
なので実用にならないのだが、一応維持している。Ubuntuの欠陥なのかDell Latitudeの欠陥なのか、個体の欠陥なのかわからないが、私は個体の欠陥だと思っている。しかし、memtest86+は何の問題もなく何パスも通るので、メモリではなさそうだ。また、ストレージへの読み書きも遅いわけではない。単純なベンチマークやストレステストで問題が見つからないのでよくわからない。