本の虫

著者:江添亮
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インターネット端末のシェアでスマートフォンがPCを上回ったというディストピア

Report: Android overtakes Windows as the internet’s most used operating system | TechCrunch

最近の調査で、インターネット上の閲覧に使うOSのシェアにおいて、2017年3月現在、AndroidのシェアがWindowsのシェアを抜き去ったそうだ。

これはつまり、いまインターネットに接続している個人が使うコンピューターは、デスクトップやラップトップではなく、圧倒的にスマートフォン(AndroidかiPhone)であるということだ。

何というディストピアな世界だろうか。

私が子供の頃、世の中の大人の大半がコンピューターを使いこなせず、我々の社会の日常生活が極めて非効率的であることに不満を持っていた。

しかし、当時の私は物事を楽観的に考えていた。何故といって、我々の世代は個人でも安価にコンピューターが所有できる世代である。コンピューターの性能は年々上がり、価格は年々下がっている。すると、我々の世代が大人になる頃には、全員がコンピューターを使いこなせるようになるはずだ。将来、コンピューターを使えないのはしぶとく生き残っている死に損ないのジジババだけになる。すると、我々の社会はコンピューター利用が当然で、誰もがコードを書ける社会になるはずだ。

残念ながら、そのような未来は来なかった。

「スマートフォン」と呼ばれるものの誕生が、我々をバカにしてしまった。スマートフォンではコードが書けないのみならず、まともな文章も書きにくい。スマートフォンの利用者の大半はただ与えられた情報を消費するだけの愚かな存在になりさがってしまった。情報を与える特権を持った者は、キーボードという効率的な入力装置を使いこなせる者だ。

我々の世代と、我々の次の世代は、スマートフォンという名の毒物によって汚染されてしまった。この手のひらサイズのタッチパネルを搭載した貧弱なコンピューターは、今や大半の人間が使う唯一のコンピューターになってしまっている。

筆者はスマートフォンの所有を拒絶している。我々の社会はとてもスマートフォンの利用が当然な社会になってしまったので、スマートフォンを所有しないということは、日常生活において大変な不便を強いられる。しかし、筆者は利用者によるOSの入れ替えやOSの改変を妨害し、コードや文章を書くのが非効率的なコンピューターを所有するのは利便性を上回るリスクであると考えている。

何というディストピアな世界だろうか。