ディストピア小説のネタとして使える実話
事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、ディストピア小説を超える実話が世の中に溢れている。
East Lake Country図書館のシステムは、貸出記録から人気のない本を破棄するようになっている。この図書館の司書は、フェイクの利用者情報を登録して、司書がお気に入りの破棄されてほしくない本を守るために、多数の貸出記録を捏造した。
ある病院の医療システムのセキュリティは、一定期間の入力がないとパスワードの入力を要求する仕組みになっている。このために、看護師の医療システムの利用時間の大半は、パスワードを入力することに費やされている。刻一刻と病状が悪化する患者の情報を即座に入手しなければ患者の生死に関わる状況では、パスワードの入力にかかる時間は致命的である。そのため、ある病院では、新米の看護師を医療システムのキーボードを一定期間ごとに押し下げる係に割り当てている。
このような話をネタにしたディストピア小説が読みたいものだ。例えば監視社会で観測データから社会に不要な人間が自立型の機械によって自動的に破棄されていくディストピア世界において、人類の大半が破棄された荒廃とした世界で、生存のために観測データの捏造を続ける人類。
あるいは、電力や食料の生産が完全に自動化された世界において、生産量の調整のためにひたすら入力を一定間隔で叩き続ける不毛な仕事。なぜ人間が押さなければならないかというと、機械は人間以外の入力を弾くために、規則的な入力を弾くことはおろか、完全なランダムの入力も弾く。人間がメンタル上で作り出せる規則性のある入力でなければ受け付けないように高度に訓練されてしまったから。
そういえば、年末にPixivのアカウントに対して大規模な他所から流出したIDとパスワードの組み合わせによるログイン試行が行われ、結果として何が行われたかというと児童ポルノ画像のアップロードだったという。これは、児童ポルノというのは法律で所有が違法なことにより、画像を投稿できるWebサイトに対する最も手っ取り早い嫌がらせの手段であるのだという。この事件から、児童ポルノを武器として利用するディストピアネタを思いついた。
例えば、児童ポルノは存在が違法であり、児童ポルノを記録するストレージも違法である。そこですべてのコンピューター機器はRFC 3751ストレージは児童ポルノを検出すると自動的に自己破壊し、また児童ポルノを検出して破壊する自律型ロボットがそこらじゅうを徘徊している。大規模な児童ポルノをばらまくマルウェアの影響によりコンピューターの大半がOmniscience Protocolにより文鎮化した世界で人類が生き残りをかけて児童ポルノを武器にロボットと戦う。児童ポルノが武器になる理由としては、児童ポルノだと判定されるものををロボットに観測させるとロボットはOmniscience Protocolを発動して自己破壊を行うからだ。