本の虫

著者:江添亮
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curl | bashをサーバーサイドで判定する方法

Detecting the use of "curl | bash" server side | Application Security

ソフトウェアをインストールするとき、シェルスクリプトを実行するのはよくあることだ。しかし、そのシェルスクリプトが他人のリモートサーバーでホストされていた場合、curl | bashするのは危険だ。まともなユーザーは、curl | bashする前に、まず中身を確認して、悪意がないことを確かめるものだ。

しかしもし、サーバー側がwgetやcurlといったツールとブラウザーを判定して、それぞれ別のコードを返した場合どうか。ユーザーが見るのは囮のシェルスクリプトだ。

しかし、それではcurlやwgetを利用してシェルスクリプトをダウンロードするユーザーは騙せない。しかしもし、curlとcurl | bashを判定することができたらどうか。実は、できるのだ。

curlとcurl | bashを判定する方法は、bashの処理にある。bashはコードを順次実行していく。コードの実行中はパイプからの読み出しが滞る。ネットワークとパイプのバッファーが全て埋まってしまえば、サーバーからのデータのダウンロードは中断する。したがって、コードの冒頭にsleepを置いて、バッファーを埋めるために無害で表示されないnull文字を送りつける。ダウンロードが途中で中断すれば、curlはパイプを経由してbashに出力しているのだと判断できる。

curl | bashを判定するサーバーを判定する方法

では、ユーザーはどうやってcurl | bashを判定するサーバーを判定すればいいのだろうか。判定が上に述べたような簡単なディレイで行われているならば、そういうディレイを発生させてやればよい。

curl https://example.com/setup.bash | (sleep 3; cat)

しかし、curl | bashを判定する方法はその他にもあるし、ディレイを複数使って判定することもできるので、確実に判定はできない。信頼できないデータはまずローカルのファイルに落として、中身を検証してから、ローカルのファイルをbashで実行すべきだ。