C++標準化委員会の文書のレビュー: P0100R1-P0136R1
今回も改訂版文書のレビューをしていく。改定前の文書のレビューは同番号の過去の記事を参照。
本の虫: C++標準化委員会の文書のレビュー: P0100R0-P0109R0
比較の強さ別にカスタマイゼーションポイントとなる関数を用意する提案。
比較には、同一比較と、順序比較がある。順序比較には、partial orderとweak orderとtotal orderがある。これまで、順序比較にはoperator <などの演算子が、その種類を問わず使われてきた。どの比較を提供できるかは、型により異なるので、比較ごとの方法を提供できる関数テンプレートを追加する。カスタマイズするには、これをオーバーロードすればよい。
template<typename T> bool partial_less(const T&,const T&);
template<typename T> bool weak_less(const T&,const T&);
template<typename T> bool total_less(const T&,const T&);
template<typename T> bool partial_unordered(const T&,const T&);
template<typename T> bool weak_equivalence(const T&,const T&);
template<typename T> bool total_equal(const T&,const T&);
P0112R1: Networking Library (Revision 7)
Boost.Asioをベースにしたネットワークライブラリの提案。
変更点は、io_serviceをio_contextに、wrap()をbind_executor()に改名。package()をuse_futureの関数呼び出し演算子に、const_buffers_1とmutable_buffers_1クラスの廃止。const_bufferとmutable_bufferが直接要件を満たすことに鳴った。const_bufferとmutable_bufferにdate()とsize()メンバー関数を追加。buffer_cast<>とbuffer_size()の代替案。
P0136R1: Rewording inheriting constructors (core issue 1941 et al)
継承コンストラクターの文面を書き直す提案。これにより継承コンストラクターの挙動が僅かに変わるそうだが、影響はほぼない。
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そういえば、今年からドワンゴで勉強会にも使っているセミナールームは歌舞伎座タワーではなく、ADK松竹スクエアの13階に変更になっている。
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