本の虫

著者:江添亮
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このマッポーの世の中では年末といえどもまともなオーガニック・スシを食べることすらかなわない

年末なので贅沢にもツキジでコンベヤーベルト完備ではない高級オーガニック・スシをつまもうと出かけたが、このマッポーの世の中では、ニコチン中毒者によるキセル・パイプの害のないスシ・レストランは存在しなかった。

大抵のスシ・レストランは、エントランスにはいった瞬間にシガレット臭いアトモスフィアが流れてくる。とてもではないがオーガニック・スシを出すレストランだとは思えない。

落胆して、マケグミ・サラリマンのよく立ち寄る禁煙が保証されている合成ソバショップに入りかけたが、おお、ゴウランガ! とあるスシ・レストランの店先に、「カウンター 終日禁煙席」とショドーされているではないか。スシを補給するのにこれ以上の場所はあるまい。さっそく中に入り、カウンターチェアに腰掛けた。

しかしなぜか流れてくる煙たいアトモスフィア。振り返れば、タタミ一枚も離れていない距離にいる典型的なニコチン中毒者フェイスをしたサラリマンがタバコ・ドラッグをキメているではないか。看板に偽りあり!

筆者が普段外食を避けている理由はこれだ。このマッポーのトーキョーではレストランはニコチン中毒者の巣窟なのだ。ニコチンスモークが蔓延するアトモスフィアのレストランでまともなオーガニック・スシなど期待できるわけがない。

サラリマンの身分とはいえ、年末ぐらい贅沢をしたかったのだが、このマッポーの世の中では贅沢に値するオーガニック・スシ・レストランなど存在しないようだ。