HTTPステータスコード451(政治的な検閲)が正式に承認される
draft-ietf-httpbis-legally-restricted-status-04
HTTPステータスコード451がIETFで正式に承認された。近いうちにRFCとしても発行される。
元ネタは、Ray BradburyのFahrenheit 451(華氏451)というタイトルの小説で、これはディストピアな検閲社会を描いている。
451の意味は、403(禁止/権限がない)と似ているが、正確な意味は、ドラフトを引用すると、以下の通り。
このドキュメントはサーバーオペレーターが、あるリソース、あるいはあるリソースを含むリソース群に対し、閲覧を検閲するよう法的な命令を受け取った時に使うHypertext Transfer Protocol(HTTP)ステータスコードを規定するものである。
このステータスコードは、法律や一般大衆の雰囲気がサーバーの運営に影響をもたらした時に透明性を高める情報開示のために使うことができる。この透明性はオペレーターとエンドユーザーにとって有益なものとすることができる。
RFC4924はインターネットの透明性を抑圧する勢力について考察している。その勢力にはコンテンツへのアクセスを禁止する法的な介入が含まれることは明らかである。参照先のドキュメントによる記述や、RFC4084のセクション4がしめす通り、そのような検閲の事実は公開されるべきである。
HTTPステータスコード451の採用には、結構な議論があったらしい。もともと提案したTim Brayと同志の者は、オンライン上における検閲の事実は開示すべきであると考えていた。403は単に「禁止されている」という意味だけで、「法的な理由により閲覧させることができない」という意味はない。
当初、IESGでは反対する委員も多かったようだ。というのも、HTTPステータスコードは限りある名前空間だからだ。400から499までしかなく、全てに意味が割り当てられてしまったあとは、もうどうしようもない。
とはいえ、賛同する委員も多く、また検閲事実の収集を自動化したいという声もあったため、採用に至った。
451はどのように使われるのか。すべての検閲が451を使うことは期待できない。451はネットワーク検閲フィルターの役割を果たすファイヤーウォールが使うことも考えられるが、おそらく現実的には、発信元のWebサーバーが使うだろう。Github, Twitter, Facebook, GoogleといったWebサイトはしばしば検閲を要求されている。
抑圧的な国家は、検閲されている事実をも検閲するため、451を返すこと自体が検閲されるだろう。その場合、市民は国家が自国民を検閲しているという強力なメッセージを受け取ることになるだろう。