ChromiumがLinuxカーネル3.17より前のサポートを打ち切り
Chrome/Chromium To Require Newer Version Of Linux Kernel - Phoronix
ChromiumがLinuxカーネル3.17以前のサポートを打ち切るようだ。
というのは釣りタイトルだが、Linuxカーネル3.16までで、最新のChromiumを使うと、ブラウザー拡張がインストールできないという問題がある。この理由は、Linuxカーネルのサンドボックス機能であるseccompに最近入ったTSYNC(SECCOMP_FILTER_FLAG_TSYNC)をChromiumが使っているためだ。
興味深いは、LinuxカーネルにTSYNCをいれたのは、Chromium開発者で今はGoogle社員でもあるKees Cookだ。Ubuntuの12.04と14.10のLinuxカーネルには、TSYNCをbackportするパッチがあたっているが、これもKees Cookが用意したらしい。
これは適切に情報共有されなかったらしく、かやの外の人間は、最新のChromiumが動かなくなった理由を、手探りで解明する必要に迫られた。
Issue 758063005: Linux sandbox: report TSYNC status in chrome://sandbox - Code Review
さて、ChromiumがLinuxカーネル3.17以上を必要とするようになったというバグ報告は、WontFixとされてしまった。なぜならば、「これは技術的にはregressionではあるが、ユーザーにはカーネルのアップデートという、十分にリーズナブルなworkaroundが存在するから」だそうだ。はたして、本当に十分にリーズナブルだろうか。
Linuxカーネル3.16というのは、去年リリースされたばかりのだいぶ新しいバージョンである。3.17以上を要求するのはあまりにも難しい。3.17以前のカーネルでChromiumを使うには、TSYNCのbackportが必要だが、少なくともDebianは、backportに消極的のようだ。