本の虫

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MozillaがMetro版Firefox開発中止を発表

Update on Metro | Future Releases

今週のはじめ、筆者はリードエンジニアとリリースマネージャーに、Windows Metro版のFirefoxの開発中止を指示した。開発チームはよくやってくれたが、Metroプラットフォームを取り巻く環境を考慮すると、1.0をリリースするのは、間違いだった。

Mozillaは世界をより良くするためにソフトウェアを開発している。しかし、我々は戦いを選ばねばならない。今や我々は、Firefox 1.0をリリースした時ほどちっぽけな存在ではないが、我々の労力は、我々が誓った目標を達成するために、集中して振り向けねばならない。我々の競合相手の強大さと、労力の多大さにより、我々は労力を適切に集中させなければならないのだ。

2012年末、筆者がMetro用Firefox開発チームを立ち上げた時(もうMicrosoftは、Metroという名称を使っていないが、我々内部で話すときは、未だにその名前を使っている)、MetroはWebの次の戦場のように思えた。Windowsは巨大な環境であり、Microsoftはこの新しいプラットフォームを強烈に打ち出していた。当初、我々は完全に閉めだされているようであった。我々はなんとかMetroをオープンにして、(ARMベースのRTは未だに閉鎖的だが)、開発を始めた。

何ヶ月もたち、開発チームが開発し、テストし、製品としての完成度を高めていくと同時に、我々はMetroの受け入れ具合を観察していた。見る限り、シェア率増加は完全に水平線である。例えばだ。毎日、何百万人もの人間が、リリース前のデスクトップ版Firefoxをテストしている。しかし、Metro環境の活発な利用者は、一日1000人程度しかいなかった。

これにより、我々は厳しい選択に迫られた。リリースすることはできるが、現実の環境であまりテストされていないものを表に出すことになる。つまり、現実に使われるようになると、多くのバグが発見されるだろうということで、多くの後出しの開発や設計やQAテストの労力がかかる。リリースして後出しの作業をしないという選択肢は存在しない。製品をリリースしたのならば、一生サポートし続ける必要があるのだ。戦いを選ぶという観点から言えば、これは割り合わない戦いだ。労多くして益少なし。

だから、引き上げることにした。これは、Metroが明日にでもおおはやりして、我々は急いで追いつかなければならないリスクを抱えることにはなるが、今現在、利用者が全く受け入れ姿勢を示していないプラットフォームに多大な投資を行うことを考えると、取るべきリスクだ。コードは残る。市場規模はともかく、我々はこの製品に多大な投資をしたと感じているが、しかし、より多くの人々に届く場に労力を集中する。まだこのコードにやるべきことはたくさん残っている。

Johnathan Nightingale, VP Firefox

Metroという不自由極まりない閉鎖的、制限的な環境で動くソフトウェア、いや、WindowsというプロプライエタリなOS用の自由なソフトウェアを開発するのは、本来不毛である。しかし、そのことによって、少しでも多くの人々が、不自由な肝教で動く自由ソフトウェアではあるが、自由のよさを認識してくれれば、完全に不毛というわけではない。

筆者は早く皆が自由の価値に目覚めることを願ってやまない。