本の虫

著者:江添亮
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C++17の参考書を書き上げた

C++17の新機能のほぼすべてを解説した参考書を書き上げた。

GitHub: EzoeRyou/cpp17book: textbook for C++17

GitHub Pages: C++の新機能

この参考書は、後ほどアスキードワンゴから出版される予定になっている。

内容としては2017年に制定された新しい標準規格、C++17に追加された新しいコア言語と標準ライブラリのほぼすべてを解説した内容になっている。

C++17には数学関数も追加されていて、これの執筆には読者から多大な貢献を得た。

C++17の新機能: 数学の特殊関数群

この本はGPLv3でライセンスされ、紙書籍での出版も、GPLv3で行うことを予定している。

さて、C++17はすでに規格制定され、C++20まではまだ少し時間がある。この暇に、今まで得たC++の知識を使って本を書くべきだと思ったので、次も本を書くことに注力したい。今考えているのはC++の入門書だ。

入門書という分野について、私にはあまり好ましい印象がない。世の中のいわゆる入門書をめくると、なにやらSI屋がよろこぶようなエクセル方眼紙エビデンスよろしくスクリーンショットをベタベタと貼り付けて、無駄に紙面を50ページも100ページも使い、結局何を説明しているかというと、Microsoftの不自由なVisual Studioのインストール方法だけを説明していたりする。完全に訳がわからない。私の書く入門書はそのような本にはしない。

そもそも、今C++の入門書を必要とする人間は、一体どういう環境にあるのだろう。

この2017年にC++入門者の筆頭に上がるのは競技プログラマーだ。彼らは大抵のオンラインジャッジシステムでサポートしていてパフォーマンスが出て必要なアルゴリズムを書き起こせる言語であるC++を使う。興味深いことに、彼らはC++にある素晴らしい機能の筆頭に、next_permutationという標準ライブラリの存在を挙げる。next_permutationを実務で使う状況というのはまれにしか起こらないと思うのだが、不思議なことだ。

既存の自由ソフトウェアに貢献したいが、そのソフトウェアがC++で書かれている場合、これはC++を学ぶ必要がある。そういう人もいるだろう。

仕事でC++を書く必要が出てきて学ぶという人もいるだろう。C++が使われる仕事として一番わかり易いのは、不自由なゲーム専用機などの組み込み機器だと思われる。

すでにC言語は知っているが、C++を学びたいという人。15年前ならばそういう人はいくらでもいたが、果たしてこの2017年にいるのだろうか。ただ、例えばLinuxカーネルの開発に参加したい場合、これはC言語を学ぶしかない。カーネル開発者は未だにC言語が必要なので学び、C++を知らないが学びたいという人は多いのかもしれない。

これを考えると、次に書くべきC++入門書は、プログラミング入門書である必要はない。対象読者はすでに別の言語でプログラミングの基礎にある程度触れていることを想定して書いてもよいはずだ。つまり、環境構築や、変数とは箱のようなものであるといった比喩表現はいらない。

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