本の虫

著者:江添亮
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靴を買った話

ボルダリングを始めてから筋肉もついたが、食事量も増えたのか、脂肪もつき始めた。その結果、体重がかなり増え、以前ならば登れていた課題が登りにくくなってきた。

これではいかんと一念発起して、2年ぶりにジョギングを再開することにした。京都に住んでいた頃はジョギングをしていたのだが、東京に引越してからはジョギングをしていなかった。まず、ジョギングをするための靴がないので、近所のスポーツ用品店に買いに行った。

スポーツ用品店には様々な靴が並んでいた。しかし疑問なのは、テニス用の靴とバスケットボール用の靴のどこが違うのだろうかということだ。

ジョギング用の靴にも、だいぶ不思議なものがあった。側面に手動のポンプがついていて、シューズをふくらませることによりフィット感を出すという触れ込みの靴があった。そのようなギミックは信用できないので買うのはやめておいた。

結局、1万円ぐらいのジョギング用の靴を買った。

さて、問題は、クライミング用の靴だ。この8ヶ月ほど、スポルティバのジーニアスを履いて登っていたが、そろそろつま先がすり減ってきた。調べると、ジーニアスのソールの厚みは3mmしかないという。足裏感覚抜群という謳い文句のためには、もちろんソールは柔らかく薄くなければならないが、3mmは薄すぎだ。また、一般的に柔らかいソースは、それだけ耐久性も劣るはずだ。

筆者のクライミングシューズ歴は、タランチュラ3ヶ月、ソリューション3ヶ月、ジーニアス8ヶ月だ。どれもスポルティバの靴なので、そろそろスポルティバ以外の靴を試してみたいものだ。

そこで今回は、あまりダウントゥのきつくない靴を試してみることにした。いろいろと見た挙句、Andrea Boldriniのアパッチライトを買うことにした。なかなか見ないメーカーだが、クライミングシューズメーカーとしては高級靴として有名なのだそうだ。価格は他の靴と比較してそれほど高いわけではないが、他の靴がここ数年で値上げしたのに対し、値段が据え置きなので、やはり相対的に高いという。

さて、アパッチライトのソールはAndrea Boldrini独自のFormulaラバーと称するものを使っている。Formulaラバーには2種類あるらしく、アパッチライトが使っているのは、摩擦と耐久性のバランスがいいと謳っているものだ。実際の感覚では、かなり硬いラバーである。摩擦はあまりよくない。アパッチライトのソースの厚みは5mmもあるそうだ。練習用のシューズとしては悪くないかもしれない。

靴の作りはそれほど極端ではない。足入れはしやすい。ソールは土踏まずの前にしか貼られていない。土踏まず部分が靴の中で盛り上がっていて、偏平足気味の筆者の足に当たる。

ヒールの作りはやや気になる。ゴムの継ぎ目の位置が中央に来ているのだが、これはヒールをかけそこねてこすった時に痛まないだろうか。また、ヒール部分は柔らかすぎて、ヒールをかけてかきこむと足が痛い。

とりあえずしばらくはアパッチライトで頑張ることにする。