本の虫

著者:江添亮
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妖怪クッキング

東京のメシがマズいということは、もう十分に力説したので、いまさら言うまでもなかろう。東京のメシはマズい。これは純然たる事実である。

筆者は美食家というわけではないが、金を払ってマズいメシを食べたくはない。かつまた、東京の飯屋は高い。それならば、自分で作ったほうがいいだろう。

こういう理由で、東京に来てからはほぼ自炊している。これまでも自炊していたが、ここまで本格的に料理を作ることはなかった。

さて、今はゴールデンウィークという名の長期休暇なので、この機会に、積極的に新しい料理に挑戦するとしよう。

28日には、ピザを作った。ピザは強力粉とドライイーストを買ってきて生地から作り、もちろんトマトソースも自作した。ピザの具には、玉ねぎとピーマンとオリーブと生ハムを使用した。

まず、ピザ生地を作るのは、不安であった。作業中、何度も、果たして本当にこれでピザ生地が作れるのだろうかとの疑問が生じた。ピザ生地のレシピは、どれも大差がない。強力粉、塩、ドライイースト、水をこねるだけである。薄力粉をすこし混ぜると良いとか、ぬるま湯だとかの細かい工夫の差異はあるものの、基本的にはどのレシピも変わらない。今回は、強力粉だけで作ることにした。

まず、生地をこねるのは難しい。ベタベタする上に、強力な粘り気が出るので、全力でこねなければならぬ。すっかり疲労困憊してしまった。

どのくらいこねればいいのかわからないので、ある程度こねた上で、ラップをかけて放置した。これで発酵が進み、倍ぐらいの大きさに膨れ上がるはずである。

その間、来客もあったので、バックアップ用に買ってあった、出来合いのピザ生地で、ひとまずピザを作った。ギークハウス新宿で食べたピザより美味しかったことを記録しておく。

さて、2時間ほどたって、ピザ生地をいれたボウルをみてみると、なんと、倍ぐらいに膨らんでいる。さっそく生地をのばそうとしたが、強力に粘る上に、ベタベタで綿棒が役に立たず、引き伸ばせぬ。

すわ、どうしたものか。失敗か。

いや、ここで終わるわけには行かぬ。水を使ってベタつきを回避し、なんとかオーブンのプレート二枚分にピザ生地を引き伸ばした。その上にトマトソースを塗り、具材を配置して、チーズを山ほどかけて、220度のオーブンで15分焼いた。

結果は、みごとにうまいピザが焼きあがった。ピザ生地がやや分厚く、むしろパンのようになったが、しっかりとピザだ。「これは市販のピザよりうまい」、「金を取れるレベルだ」との感想が得られた。大成功だ。

ピザは結構な手間と金がかかるので、人が集まった時にしか作れない。幸い、いまはゴールデンウィークなので、次の4連休にでも、またピザを作ろうと思う。

29日には、ロールキャベツを作った。一応、ロールキャベツの形はしていたと思う。キャベツとつみれの入ったコンソメスープと何が違うのかと言われれば、返答に窮するのだが。

さて、今日は何を作ろうか。